「学び」について考えたことありますか。
これは、海外へ販路を拡大するために知っておいて頂きたいことを学習ガイドブックとして「輸出貿易の手引き」(約180ページ)を纏めまたものです。
この教材は、皆様をサポートする上で
必要に応じて利用して行きます。
貿易とは何か、実務ですべきことは何か、ビジネスレターはどのように書くか、英文契約書はどのようにまとめるか など。
本文は、できるだけ実務に役立つよう纏めており、その分、文章が多くなっております。
ご参考までに、テキストの1例を見てみます。
上の図(第1章第1部)は、海外と取引する場合の3つ形態です。
つまり、日本に居て商品を輸出入する、海外で生産、販売する、そして今盛んに行われているネット取引です。
これらの形態を通じて、海外と取引することになります。
例えば、物品を日本国内から輸出する場合について、具体的にどのようなステップを踏んで行われるか見てみます。
本テキストの(第1章第1部)に詳しく纏めておりますが、
最初に市場調査から始め、成功裡に商談が成立したら、次にどのように契約商品を届け、代金を回収するのか、
そのステップは次のようになります。
貿易(輸出)推進のための基本の基本としての3つの流れ(3つ のプロセス)を示しています。
まずは
1. 取引成立プロセス:
自社の製品販売に適した市場を調査し、取引先を
探す流れです。
2. 物流プロセス :
契約製品を出荷し、海外取引先に届ける流れです。
3. 決済プロセス :
輸出代金を回収する流れです。
以上1回の取引では、この3つのプロセスで完結します。 その後、更に取引先との協議を重ね、継続した取引につなげて行きます。
1. これは、取引が成立するまでの流れを示しています。
2. まず第一ステップとして、対象商品がどこで、どの国へ輸出するのが一番適切かを調査します。対象商品に輸入規制はないか、あればどのようにクリアーすればよいか調査することは非常に大切です。
3. 第二、第三ステップとして、対象商品を扱ってくれる取引相手を探します。
実は、貿易実務の中で、各事業者にとって一番大事なステップではないかと私は考えます。
信頼できる相手と取引することができれば、貿易リスクの削減に大きく寄与するからです。
他の貿易実務はほとんど、専門業者に委託することができます。
4. 有望な取引相手が見つかれば具体的商談に入ります。第四ステップです。
商談がまとまれば、最後に今までのやり取りすべてを盛り込んだ包括的合意として、契約書を作成します。
1. これは、物流プロセスですが、契約成立後、実際に販売商品を外国の相手先に届ける必要があります。
具体的には、第五ステップとして、必要に応じて輸出者は、輸出許可・承認や保険の手配、取得、そして、海貨業者や通関業者に商品輸出の委託手続きを行い、指定された場所に貨物を搬入します。
第六ステップは、委託先が輸出許可の取得や船積み手続きを行い、船会社に輸送を委託します。
そのほか、輸出先での輸入通関や配送は誰がやるのかなど、細かな点はたくさんありますが、ここでは基本的な流れを示しております。
2. 基本的には、第五ステップは、輸出者がする仕事、第六ステップは、物流を委託した海貨業者/通関業者および船会社の仕事です。
3. ステップ六の貨物の容積や重量の計量、計測は、ここでは少量の貨物、つまり混載で運ばれるときに必要となるものです。
1. これは決済プロセス、つまり輸入者が貨物を引き取るために必要な船積書類を受け取った後、輸出者に代金を支払う信用状付取引決済の流れを示しています。
2. 最近は、信用状を使わず、送金による決済が多い様ですが、輸出代金を確実に回収するためには信用状取引が安心です。
3. 具体的には、輸入者が信用状を取引銀行で取組み、それを銀行経由輸出者に送付し、信用状を受け取った輸出者は為替手形を作成し、船積書類と共に手形を輸入地の銀行に送付して輸出代金を受け取ります。
実際はもう少し複雑ですが、ここでは基本的流れを示しております。
4. 以上、3つのプロセスを通じて、輸出貿易が行われ、その実務の基本の流れを説明しましたが、実際には、もう少し複雑な要素が加わります。
3. このような特殊事情から、そこにリスクが生じます。
そこで、過去の貿易業者は、このリスクを最小限に
するためにいろいろな工夫や対策を行ってきました。
現在では、それが商慣習となっております。
4. まず、① 国により言語、制度、商習慣、政治・
経済事情が異なる点ですが、言語、制度、商習慣が
違うと意思疎通に戸惑うことが多くなります。
その場合、合意した内容を書面にし、書面でお互
確認しておけば、後で言った言わないの誤解を避ける
ことができます。契約書の締結です。
5. また、②の取引通貨の問題です。
日本円で決済できれば問題ありませんが、契約上
ドルで決済する場合は、企業ではコントロール
できない外国為替変動リスクにさらされます。
契約時点では利益が確定していても、決済時点で
為替相場が変動し、思わぬ損失が出たりします。
対策として一番良いのは、契約上円決済とする
ことですが、相手のあることですからそうもいかない
場合には、契約時点で為替予約をし、利益を確定する
方法もあります。
1. 左側に市場調査から取引交渉までの基本的流れを
示しています。
市場調査とは自社の商品を販売するための適切な国
やパートナーを探す作業です。
昨今は、色々な調査はインターネットを通じて
行われておりますが、
貿易関係については、独立行政法人ジェトロが膨大
な情報を提供しております。まず、ジェトロのホーム
ページから調査されてはいかがでしょうか。
・ジェトロ 「国・地域別情報」:
各国ごとの基礎デー夕、統計、貿易為替制度、
投資制度や調査レポートなどの閲覧
はコチラhttps://www.jetro.go.jp/world/
・ジェトロ「引き合い案件データベースTTPP:
「国内外企業が登録した約3万6,000件の商品・
部品の輸出入などのビジネ案件を無料で検索、閲覧
できる」はhttps://www.jetro.go.jp/ttppoas/indexj.html
2. そして、自社商品を販売するための取引条件を交渉
します。
商品輸出における基本的打ち合わせ取引条件は
品質、数量、価格、受渡、決済、保険の6条件です。
1. これは、船積通知で基本的な通知文書です。
船積手配をした輸出者は、輸入者の貨物受け取り手続きがスムーズに行えるよう、その内容を必ず相手に通知することは大変重要です。
これは通知文のサンプルです。
《本文の解説》
サンフランシスコ港に3月15日に到着予定の本船に船積みが完了したことを通知している。船積み通知に併せて、船積書頒の副本を同封しており、その種類と枚数について記載されている。決済条件を再度確認して、迅速な荷為替手形決済を期待し、最後に再注文を促して締めくくっている。
1. ここからは、契約書についてです。
まず、契約書のスタイルですが、基本的に2種類あります。
e-mailや書簡などで、契約内容を通知し、相手に署名を求めるもの
と伝統的な形式に基づいて契約書を作成するものがあります。
このページではレター形式による例を示しております。
なお、本英文において、赤字で示しているのは、
契約書特有の表現です。
馴染みがないかもしれませんが、
内容が分かればさほど違和感はなくなってくると思います。
1. これが伝統的なスタイルの契約書書式です。
2. 構成ですが、
①表題 : 契約書タイトル
②頭書 : 当事者、締結年月日、主たる営業所所在 地、設立準拠法などを記載
③前文 : 契約に至った背景
④約因 : 対価的関係、つまり「見返り(約因) 」が
あることで契約が成立したことを示す
⑤本文 : 合意した各条項名とその内容
⑥末尾文言 : 契約締結の表示
⑦契約当事者と署名 :最後に署名
となっております。
3. このスタイルは主に大型案件の契約で使われています。